離婚公正証書の内容について解説

離婚公正証書の内容

離婚公正証書の内容に関するご相談はお任せ下さい

【目次】

● 離婚公正証書の内容
離婚公正証書の効力

離婚公正証書に書く内容は各夫婦によって異なりますが、
主に子供の約束、お金の約束、証拠の約束、以上3点から構成されます。

【子供の約束とは】

◇ 子供への養育費
◇ 子供との面会交流

先ず離婚することで夫と妻は他人となりますが、
離れて暮らすことになる親(主に夫)と子供との親子関係は続きます。

そして子供の成長を支えるためのお金を養育費と言い、
一般的には離れて暮らす親が子供に毎月お金を払うことになります。
(例 長男の養育費として西暦2031年3月まで3万円を支払う。)

ちなみに養育費の内訳は生活費用、教育費、医療費となります。

父親「今何してるかなぁ。」
子供「お父さんに会いたいなぁ。」

次に離婚しても親子関係が続くということは、
このような思いも当然出てくるので、それを満たすのが面会交流となります。
(例 長男との面会交流は1か月の内1回、毎月第2土曜日に実施する。)

面会交流は子供の成長のためという視点を持つことが大切で、
思うところがあったとしても、子供が望めば実現出来るようにして下さい。

当事務所では20代、30代のご依頼者様が多いので、
離婚公正証書に記載する内容は、子供の約束がテーマになることが多いです。

【お金の約束とは】

◇ 慰謝料の支払
◇ 財産分与の支払

先ず離婚原因が配偶者の浮気(不倫)だった場合、
精神的苦痛に対する対価として、慰謝料の請求が出来ます。
(例 慰謝料として50万円を10回に分割して支払う。)

ちなみに離婚原因が性格の不一致では請求出来ないので、
全ての夫婦が慰謝料の話し合いをする訳ではないと覚えておいて下さい。

妻「免許ないし車は譲るよ。」
夫「査定額の半値を分割で払うよ。」

次に財産分与は婚姻期間中に蓄えた財産を清算するもので、
このように「車をもらう代わりにお金を払う」という約束も出来ます。
(例 財産分与として30万円を15回に分割して支払う。)

一般的に財産分与は証拠としての記載が多いですが、
このようにお金の約束(分割)を交わすご依頼者様もいらっしゃいます。

【証拠の約束】

◇ 財産分与の合意
◇ 通知義務の合意

先ず財産分与は婚姻期間中に蓄えた財産を清算するもので、
一般的に誰が何を取得したという証拠を記載することになります。
(例 自宅にあるテレビ、冷蔵庫を妻が取得することで合意した。)

主な分配財産として不動産、お金、動産(家具や電化製品)があります。

次に当事務所では通知義務を大切な合意と考えており、
具体的には「支払者に○○が起きたら通知する」という内容です。
(例 住所地に変更が生じた場合、変更から14日以内に・・・)

この○○とは住所地、電話番号、勤務先などが該当します。

最後に離婚公正証書の原案を夫婦(自分)で作る場合は、
事前に知識や情報を集めて、後悔しない内容にすることが大切です。

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離婚公正証書の効力

離婚公正証書の効力やメリット

【効力について】

① 証拠として活用
② 強制執行が出来る
③ 約束を守るという意識付け

先ず離婚条件を書面化したものが離婚公正証書なので、
①証拠として活用することが出来、離婚後のトラブル防止に役立ちます。

元妻「今月の養育費が少ないけど。」
元夫「今月から1万円減額って約束したよね。」

仮に夫婦間で決めた養育費の条件を口約束で終えた場合、
夫に悪意があれば、このようなウソをついてもどちらが正しいか分かりません。

離婚公正証書があれば、読み返すことでどちらがウソをついたか分かります。

ちなみに妻が悪意のあるウソをつく可能性も否定出来ないので、
証拠という効力については、お互いにとってメリットがあると言えます。

次に離婚公正証書には②強制執行という効力があるので、
養育費などの支払が滞った場合、財産(給料)を差押えることが出来ます。

この強制執行という効力を求めて、離婚公正証書を作る方が多いです。

例1「預貯金80万円を夫が20万円、妻が60万円受領した。」

最後に離婚公正証書は例1のように文字として残るので、
お互いが離婚条件を守ろうという、③自覚と意識付けの効果があります。

特に養育費の支払は長期間に及ぶことが多いので、この意識付けは大切です。
(例 子供が成人するまでの10年間、養育費を約束通り払おう。)

【デメリットについて】

① 手数料が発生する
② 100%安心とは言えない

離婚公正証書を作ることで強制執行という効力を得られる代わりに、
最終作成者である公証役場に対して、①手数料を支払わないといけません。

この手数料は離婚条件の金額などに応じて計算されています。
(例 慰謝料の支払額は50万円だから、手数料は5,000円になる。)

つまり離婚条件の金額が高ければ、手数料も高くなります。
(※ 公証役場手数料の詳細は離婚公正証書を作る時の費用をご覧下さい。)

そして強制執行はどのような状況でも出来る訳ではなく、
支払者に財産(給与など)がなければ、差押えをすることは出来ません。
(例 差押えをしようと思ったけど、相手が無職で収入がなく出来ない。)

つまり無いところからは取れないので、②100%安心とは言えません。

こういう訳で離婚公正証書の効力を知ることは大事ですが、
同時にデメリットも知った上で、作る、作らないの判断をして下さい。